とっこです。こんにちは。
私はパワハラ解雇歴があります。
正確には退職勧奨というものでした。
退職勧奨とは、
退職してね
わかりました・・・
といった感じで、会社側が退職を勧めて、社員が応じて退職することです。
では、この会社がどのようにブラックだったか、少しだけお話させていただきます。
解雇事例がありすぎる
私はこの職場に入社して、1年経たないうちに解雇になりました。
もちろん、何か悪さをしたとか、お仕事をしなかったとか、会社に不利益をもたらしたとかは、一切ありません。
むしろ、お客様からや一部の社員の方からは「辞められたら困る!」と言って擁護していただいて、本当に周りの方に恵まれていたと思っています。
お客様と仲間には恵まれていたのですが、入社して1か月ぐらい経ったころには、「この会社にいたらいつ何時解雇されるかわからない」ということを理解していました。
なんでかと言いますと、
先輩から「解雇されるから社長には逆らっちゃダメ」と教えられていたからです。
普通は直接社長に逆らう機会なんてないし、そうなんだーくらいに軽く考えていたのですが・・・。
ある日、解雇された人から「社長を出せ」と、鬼のように電話がかかってきたのです。
「社長か、○○(実際にクビを宣告した人)を出せ!」
って電話がかかってきたんだよね?
そうなんです。
私もつい「どういったご用件ですか?」と聞いてしまったので、しっかり内容を知ることができました。
かなり怒っていらっしゃったので怖かったです。
用件聞いちゃったの・・・?
社長につなぐ前に用件を聞くのは当然と言えば当然ですが・・・。
多少は内容を知りたい気持ちはありました。
断っても断っても電話がなるのは怖かったですけどね。
この方は、突然「明日から来なくてよい」と言われたようでした。
特に業績が悪かったわけでも、経営がひっ迫していたわけでもありません。
そして、数日後に「自己都合退職」と記載された離職票が一方的に届いたのだそうです。
解雇予告も、解雇予告手当もなかったということでした。
このことに驚いた私は、先輩に詳細を聞きました。
解雇された方は、社長に意見をしたから切られたのだそうです。
職場では社長の命令は絶対。
会社としてはそれが正しいのかもしれません。
でも、たったそれだけで解雇。
何か問題があるですとか事情があればまだしも、普通ならあり得ません。
この方以外にも、社長に意見を言う人は軒並み解雇されてきたのだそうです。
私が話を聞いただけでも6人。
私が在職していた8カ月の間にも、他に3人解雇されていました。
全員自己都合退職にされていました。
たしかに、仕事に対して不真面目な方も中にはいらっしゃいました。
でも、通告も改善要求もなくいきなり即日解雇という状況には疑問しかありませんでした。
私だけ退職勧奨なのは、
「みんなの前で社長が解雇って言いました。自己都合ではありません。」という内容のメールを、会社を出た瞬間に関係者全員に送ったからです。
恐怖による支配
先ほどの「解雇されるから逆らっちゃダメ」という言葉の通り、社長の親族以外はいつ何時解雇されるかわからないという恐怖にさらされていました。
社長は起こるとものすごい声量で怒鳴る人でした。
それが怖くて意見ができる人は少なかったです。
むしろ、意見ができる人は解雇されるか、見切りをつけて辞めていくかのどちらかです。
結果として、意見ができる人がいなくなったと言うのが正しいのかもしれません。
当然会社に残るのは、親族とイエスマンだけです。
お客様に対して不誠実なことがあっても、誰もNOとは言いません。
当然お客様からクレームがくると、社長は怒ります。
でも、クレームが来ないような誠実な対応ができる社員はほぼおらず、結果として仕事ができていないと怒るの繰り返しでした。
また、怒鳴るだけではなく、電話は必ず社長の監視下の元でしなくてはならないと言うルールがありました。
社長が電話の内容をすべて把握するためのルールです。
以前営業が、電話で社長の悪口を言ったことが発端だそうです。
そして、営業としての権限を誰にも持たせないためでもありました。
難しいことに、社長は仕事ができない社員も、できすぎる社員も、嫌なんです。
お客様に損失を出させる仕事
私がいちばん耐えかねたのが、これです。
仕事がわからないうちは社長の指示するまま仕事をしていました。
ですが、仕事がわかってくると、どうして会社にクレームが多いのかだんだんとわかってきたのです。
一応メーカーだったのですが、売っている製品は言わずもがな、内部の人間が知識もないままお客様とお話しするので、次々とクレームが舞い込んできました。
「訴えるぞ!」なんてことも少なくありません。
それを一心不乱に対処する日々。
クレームを起こさないようにと思って勉強して真面目に働いても、目の前で次々と起こる問題。
私が5分と経たず電話を対応しているのに、youtubeを見ている親族社員。
私が対処するから任せておけばよいという社長。
クレームが入ると考える間もなく私に回す他の社員たち。
うちは安かろう悪かろうだから
そんな社長の言葉が悔しくて涙した日もありました。
そして。
以前は「社長に」とかかってきていた電話が、「とっこさんに」と指名が入るようになった頃、
事務のくせに生意気だ!!!
と言われました。
だんだん私が事務職ではなく、営業に近い扱いをお客様にされるようになって、目障りになったのだと思います。
営業をいなくならせているのは社長なのにね。
ほんとに、
「私はどうすればいいの?」
という心境でした。
こんな状態ですので、仕事に向き合えば向き合うほど、自分の仕事がわからなくなっていきました。
あの頃一番つらかったのは、「大丈夫!社長が言ったんだよね?とっこさんは悪くないよ」とお客様に理解されてしまうことです。
理解していただけるのは嬉しいのですが、なんとも言えない気分でした。
いう事を聞かせるために嫌がらせをする
少しでも仕事ができる人が出てくると、足を引っ張るように嫌がらせをはじめます。
その人に仕事を回させないように指示をしたり、その人のところに来た仕事を逐一他の人に報告させたり、本人の意欲を削るための努力は惜しまれませんでした。
一番ひどいのは、嫌がらせ対象の人の仕事に対して赤を出すように仕向けること。
嫌がらせのためなら、会社の損失も厭いません。
また、社長の親族は社長と同意見ですし、他の社員も解雇されることを恐れてかばいません。
私は事務職ということで最初は嫌がらせの対象外でした。
私ができることは、間に入って被害が最小限に済むことだけ。
かばうこと。
それ自体が、社長にとっては気に食わなかったのだと思います。
ですが、利益を追求するはずの会社の中で、このような仕事の仕方をしていることもまた、私にとってはストレス。
結局、嫌がらせを社長がすることによって無駄な仕事が増えて非常に困っていたこと、お客様に対して損失を出すこと、色々なことが重なって反論してしまい、クビを切られました。
社訓的には、私は社長の言うことを聞かない社員。
そういうことです。
「解雇だ!」って言われて会社の外に出た瞬間。
「空ってこんなに青かったんだ」って思いました。
なにそれ、大丈夫???
私は仕事を失うのが怖くて一生懸命でした。
もう次の仕事は見つからないと思っていました。
でも、解雇されてホッとしました。
心の奥底では解放を望んでいたのかもしれません。
もちろん各種手当はございませんでした
ボーナスなんて夢のまた夢。
残業代もなし。
就業規則もなし。
会社に逆らってはいけないと言う社訓だけはありました。
子供が熱を出そうが、お休みだろうが、私の携帯が鳴らない日はなかったし、土日で仕事に出ることもあったけど、休日手当などもちろんありませんでした。
おまけ。解雇した人の事を、自慢する。
解雇した人間であろうと、転職した人間であろうと、いつでも自分が声をかければ自分の会社に戻ってくると社長は信じていました。
実際に、解雇をしまくって人手が足りなくなった時、以前辞めさせた人に電話をかけていました。
もちろん断られるのですが、その人も普通に電話に出るので驚いてしまいました。
社長はいつも自分が解雇した人が、どのくらいすごい人だったか自慢していました。
私も実際に他の方の自慢をしているのを聞きました。
そしておかしなことに、私の自慢もしていたのだそうです。
泡盛のみながら、「とっこさんって言うすごい人がいてね・・・」って話してたんだそうです。
えぇ!
誰に聞いたの?
元同僚とお客様です。
飲むとよく解雇した人たちの自慢をしていたのだそうです。
私はこの会社の中では仕事ができた方かもしれませんが、自慢されるほどのものではありません。
まして、解雇することは自慢できることではありません。
なんだかなーと思いつつも、社長らしいなと思ってしまいました。
少なくとも、このような事実を知ったうえで働いていると、解雇されても心が鈍くなりますし、解雇された後に争おうという気も起らなくなります。
だから電話がかかってきても、戻って来いと言われても、他人ごとのように聞くことができます。
ある意味、社長の人徳かもしれないな、と私は思っています。
意外と嫌いではないんです。
働いていた時も、今も。
一緒に働くのはいやですけど。
えー!!!意外!!!
ある意味すごく成長はできました。
あとは、表立っては言わなかったのですが、社長は娘のことを気にかけてはくれていましたので。じゃあ仕事減らしてよ!って部分はありますが・・・笑
もちろん解雇された人が皆私と同じ気持ちではないでしょうけど、私は憎めないと言う感じです。
不器用な人だなって印象です。
これが、私の体験したブラック企業です。
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