シングルマザーになって仕事の相談のために役所へ行った時、
シングルマザーは介護職が良いといって、介護職を勧められました。
その時役所の方に斡旋していただけたわけではないのですが、私はこの言葉を信じるままに介護の道を進み始めました。
なぜかと言いますと、ゼロ歳の子どもを抱えていても雇ってくれたからです。
当時私は子どもを抱っこして働く先を探していました。
当然断られることが多かったのですが、近所の介護施設の方から託児所付きの施設を紹介していただくことができて、パートとして働くことができました。
興味のある方はプロフィールをご覧ください。
もちろん私の場合、親切にしていただいた結果であることは承知の上ですが、それでも介護職は需要があるため、雇っていただきやすいと言うメリットはあります。
では、他にはどんなメリットがあるのか。
そしてデメリットはどんなものなのかお話していきたいと思います。
子どもが生後10か月~2歳半ごろまで介護施設でパート従業員として就業しました。
【メリット】自治体によっては資格の勉強が無料
介護業界は常に人手不足です。
そして今の日本では、シングルマザーは貧困層にあたる人が多い傾向にあります。
シングルマザーの労働力活用と貧困解消のために、多くの自治体がシングルマザーに介護職員初任者研修の受講支援を行っているのはご存じでしょうか。
介護職員初任者研修は通学が必須の資格です。
通信講座であっても、必ず通学して受講しなくてはならないカリキュラムがあります。
そのため、費用も通信・通学ともに平均10万円を超えるため、自力で取得するには金銭的ハードルが高い資格です。
選ぶ学校によって費用に結構差はありますが、この資格取得を支援してもらえると、資格取得のハードルが下がります。
ただし、介護職についてほしいから自治体は支援を行うという事を忘れてはなりません。
支援終了後は介護職として働かなくてはならないので、介護職として働く覚悟を決めて受講しましょう。
私は働きながら資格を取得しました。
【メリット】職場を斡旋してくれる
私が介護職員初任者研修を受講しているとき、自治体の支援を受けている人は、外部研修と研修を行ったレポートの提出が必須でした。
そして、受講生のうちの何名かは、そのまま研修先の介護施設へ就職しています。このような機会をうまく使うと、就職がスムーズに進みます。
また、研修中に施設の雰囲気を知ることが出来るので、就職後も安心です。
私は自治体の支援で受講しましたが、すでに就業中だったため、研修に行ってレポートを書いて終了しました。
私も介護で働いている間に、送迎でいくつか施設を見ましたが、それぞれ施設によって雰囲気は全く違います。
あらかじめ雰囲気がわかることと、働いている人と少しでもつながりがあることは大きな強みだと思います。
【メリット】一緒に働く人にシングルマザーが多い
介護施設では、シングルマザーで頑張っている方がとてもたくさんいらっしゃいます。
私が働いていた施設は託児所があったため、パートで働いている人はほとんどシングルマザーでした。
シングルマザーが集まっていると、自然と助け合う事が出来ます。
なぜならお互い何が大変なのかを理解できるからです。
本当に心強かったです。
今でも仲よくしていただいている方もいます。
小さい子供を抱えていると、何かと休みがちになりやすいですが、私はこの時シングルマザーの先輩に、「仕方のない事だから申し訳ないと思わず子供のために休んで」と声をかけてもらった事ですごく気持ちが楽になりました。
シングルマザーは精神的に孤独になりやすいので、最初の職場でシングルマザーの仲間が出来たことは本当に良かったと思っています。
【メリット】資格は裏切らない
初任者研修でも、資格を持っていれば介護の仕事につけます。
そして介護の仕事を続けていれば、更にステップアップして介護福祉士の資格の取得を目指すことができます。
子供が小さいうちは難しくても、夜勤が可能になれば確実に収入はアップしますし、最終的にケアマネージャーを目指す方も少なくありません。
介護職は、シングルマザーでも必ず安定した収入を得られる仕事です。
私が資格取得した時の先生も、ケアマネと講師を兼任していました。
その方もシングルマザーで、ケアマネを目指されたとお話してくださいました。
【メリット】いろいろなことが学べる
これは個人的にとてもよかったと思ってることなのでご紹介しますね。
私はデイサービスで働いていたので、レクリエーションをたくさんやってきました。
手遊びもしましたし、動揺も歌ったし、体操や昔の遊びなど、いろいろなことを利用者の皆さんが教えてくれて、育児に活かすことが出来ました。
また、ご利用者様は人生の大先輩。
大きな心で受け止めてくださいます。
「70歳はまだヒヨッコ、あなたはまだ赤ちゃん」と言って、私のちっぽけな悩みも笑い飛ばしてくれるのです。
そして介護施設には看護師さんや理学療法士さんがいらっしゃるので、子供の体調が悪い時や、自分が骨折した時など、困ったときはいろいろ教えてくれました。
介護で働いてよかったと思う一番の理由は、仲間やご利用者様、皆さんからたくさん学べたことです。
もちろんキツイことを言われたり、嫌なこともありました。
でも、利用者の方たちとお話しするのは好きでした。
その内介護職に戻りたいと思っているのですが、理由はやっぱり皆さんとの交流が好きだったからです。
【デメリット】休みが少ない
施設にもよるかもしれませんが、介護職は休みが少ないです。
サービス付き高齢者向け住宅や特別養護老人ホームなどはもちろん休業日はありませんし、
デイサービスでも日曜と年末年始しか休業日がないなど、施設自体のお休みが少ないです。
そのため。日曜日や祝日は預け先の確保が必要です。
私が現在介護職から離れている理由が、この休みが取れにくいことです。
どうしても介護施設は人員不足で、シフトの融通が利かない事があります。
日曜祝日に預かってもらえる託児所は、やはりお値段が高いです。
1日に働いた金額のほとんどが飛んで行ってしまいますので、お休みを定期的に確保できる仕事に転職しました。
【デメリット】体力が必要
介護職はとにかく体力が必要です。
入浴介助は長時間お風呂場にいます。
人がいないときは1日中入浴介護とかもあります。
お風呂場にいるだけでも体力はすり減っていきますし、ご利用者様の介助のために常に動き回らなくてはなりません。
自分より体格の大きな人の移乗や、動けない人の着替えは思った以上に体力を使います。
やりがいはありますが、体力に自信のない人は慣れるまでつらいかもしれません。
【デメリット】人間関係で疲弊する
介護の離職率の高さの一つは、人間関係です。
仕事の仲間、ご利用者様、ご利用者様のご家族。介護職は人と接する仕事です。
ご利用者様もいろいろな方がいらっしゃるので、一人一人にあわせた対処をしなくてはなりません。
中には暴言を吐かれる方もいらっしゃいますし、時にはご利用者様同士の喧嘩の仲裁に入らなくてはなりません。
ご家族から直接クレームを言われることもあります。
ご利用者様もご家族も不安を抱かれている方が中にはいらっしゃいますので、安心していただけるような対応を求められます。
特に送迎中は単独行動もありますので、臨機応変に対応しなくてはなりません。
まとめ
いかがでしょうか。
介護の仕事はとてもやりがいがあります。
人の命にかかわる仕事なので、もちろん大変なことは多いのですが、
それ以上に得られるものはあると私は思っています。
介護の仕事をしていたというと、「すごいね。私には絶対できない」とよく言われるのですが。
私はこの言葉を聞くたびに、モヤっとします。
たいていの人が「汚物に触れるのが嫌」という理由で「できない」と言われるからです。
汚物の処理は、ご利用者様の健康維持のために行っています。
「介護=汚い・つらい」というイメージを持たれがちですが、実際働いてみて、私はそんなイメージばかりが先行してしまうのはおかしいと感じていました。
利用者の方たちの安心・安全のために一生懸命働いています。
イヤな事や辛いこともありますが、それ以上に心が成長できる場だと感じました。
確かに大変なことが多い事は否定できません。
私は役所の方に「シングルマザーだから介護職」と仕事を選べないように言われたことはいやだと感じましたが、介護の仕事をしたことはとても良かったと感じています。
シングルマザーも自分の仕事は自由に選べる方が良いと思っています。
その中に介護職という選択肢もあることをお伝えしたいです。
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